【ハリヤナ州デモ】18人死亡デモは終息か デリー断水の可能性
ハリヤナ州で起こっているデモについて報道をまとめました。
(画像出典:indianexpress)
■BBC 2016/2/23 ※2/23追記
1000万人以上が断水状態に置かれたインドの首都で23日、給水が少しずつ再開された。カースト制度をめぐる抗議として、市内大半の水源となっているムナク運河が壊され占拠され、一時は市内のほとんどが断水した。軍が22日にデモ隊を退去させて運河の一部を管理下に置き、修理作業が始まっている。
デリーのミシュラ水道担当相は「危機はまだ終わっていない」と、慎重に水を使うよう呼びかけた。ミシュラ氏によると、23日朝に運河から水が少しずつ供給されるようになり、デリー中心部や北部の一部で給水できるようになった。
デリーの人口は約1600万人で、市内の水道水の約6割は隣接するハリヤナ州を流れるムナク運河から供給される。
市内の学校は断水のため一時、全校休校となったが、給水再開と共に学校も再開した。デリー水道局のケシャブ・チャンドラ氏はBBCに、市内の断水地域全域で水道が復活するには「3日から4日かかる」と話した。運河を破壊するという事前通告があったため、市民は水をためて準備することができたし、断水地域には給水タンクを派遣することができたが、それでも十分ではないとチャンドラ氏は言う
■AFP 2016/2/22 ※2/22追記
(一部更新)インド北部ハリヤナ(Haryana)州で、公務員採用などでの優遇措置を求めるカースト集団による暴動が先週から続き、州政府によると22日までに少なくとも19人が死亡した。負傷者は200人に上っているという。暴徒らは用水路を閉鎖し、隣接する首都ニューデリー(New Delhi)では深刻な水不足が発生している。
デモを率いているのは「ジャート(Jat)」と呼ばれる農民らのカースト。公務員採用や大学入試の優先割り当てを求めている。インドは、国内最悪の被差別者を社会の主流に取り込むべく、低位カースト向けに優先枠を設けているが、他の集団は自分たちが締め出されていると反発している。
ハリヤナ州内では21日にも新たな暴動や店舗への放火が発生し、州政府の高官によると、1人が銃撃で、別の1人がデモ隊同士の衝突で死亡。19日以降の死者は少なくとも12人、負傷者は約150人となった。1週間に及ぶデモが暴動に発展したのを受け、州内では20日、発砲許可を得た兵士が多数配置されていた。
地元警察によると21日には、暴動の中心地となっているハリヤナ州ロータク(Rohtak)県で、暴徒が警察署を襲撃して放火。署に隣接する店舗20棟と学校も内部を破壊されたという。
また、同州に隣接するニューデリーの水処理場へ水を運ぶ用水路が、暴徒によって閉鎖されたとも伝えられており、同市当局は市内全域での給水制限を発表。22日にはすべての学校が休校になると述べた。
今回の問題をめぐり、ジャート指導部と連邦政府のラジナート・シン(Rajnath Singh)内相、インド人民党(BJP)が政権を握るハリヤナ州政府の3者が、デリー(Delhi)で会談。州のBJP幹部は会談後、記者団に対して「州議会の次の会期中にジャートに優先枠を与える法制化を行うことを決めた」と述べ、州政府がジャート側の要求を受け入れたことを明らかにした。(c)AFP/Sajjad Hussain WANI
■日本大使館 2016/2/21
ハリヤナ州ロータックにおいて、ジャート・コミュニティが雇用及び教育 における優遇枠を求めて行っていたデモが暴徒化し、同地の工業団地IMTロ ータック周辺を中心に、ハリヤナ州各地において、日系企業を含む企業の商品 搬出入や従業員の通勤に大きな影響が出ております。現在、同地域は軍による 制圧が行われていますが、依然不安定な状況が続いています。また、報道によれば、一部暴徒がハリヤナ州にあるデリーへの取水路を破 壊したため、デリー市内の Dwarka, Janakpuri, Munirka, Palam, Rajouri Garden, Punjabi Bagh, Vasant Kunj, Saket, Green Park, Lodhi Colony 地区で今夜か ら断水の影響が見込まれることから、デリー政府は、これら地域への給水車の 手配を進めている模様です。さらに、このハリヤナの状況による影響が他にも 及ぶ可能性は排除されません。
■IndianExpress 2016/2/21
Haryana Jat protest: The agitating members of the Jat community have been demanding their inclusion in the OBC category and thereby reservation in government jobs –
ハリヤナ州ジャート暴徒化:ジャートコミュニティの暴徒たちは、公務員採用の優先枠を得られる「OBC(その他の後進諸階層:Other Backward Classes)」に、自分たちのカーストも含めることを要求している。
The Jat agitation, that claimed 12 lives, may end soon as the government on Sunday decided to bring a bill for granting OBC status to Jats. The decision was taken at a high-level meeting between Home Minister Rajnath Singh, Jat leaders, National security Advisor, Army Chief and Delhi Police Commissioner.
12人の命を奪ったジャートの暴徒化は、日曜日に行われた行政?にて、ジャートに対しOBCの認定を受ける法案を提出することを認めたことにより、終わろうとしている。内務省ラジャナス・シン相とジャートリーダー、国家セキュリティアドバイザー、軍、デリー警察長官との間で行われた首脳者会談で決定した。
■NHK 2016/2/21
インドで歴史的に差別されてきた人たちへの優遇策を、ほかの人たちにも適用するよう求めるデモが暴徒化して、これまでに4人が死亡し、現地に進出する日系企業の操業にも影響が出ています。インドでは、カースト制と呼ばれる階級制度のもと、歴史的に差別されてきたカーストの人たちには、現在社会的な地位の向上のため、公務員の採用や大学入試で優先枠が割り当てられています。
インドの首都ニューデリーに隣接するハリヤナ州では、「ジャート」と呼ばれるカーストの集団が、自分たちにも公務員採用の優先枠を与えるよう求めるデモを続けていて、19日から20日にかけて一部が暴徒化し、バスや鉄道の駅舎、それに商業施設などに放火しました。地元メディアによりますと、これまでに4人が死亡したということです。
インド政府は、軍の部隊を動員するとともに、暴動が起きている地区などに外出禁止令を出しました。この影響で、インドの自動車最大手でスズキの子会社の工場が部品の運び入れに支障が出たとして、20日午後に操業を停止しました。
インドでは特定のカーストへの優遇策について、ほかのカーストからは不公平だとして反発があり、去年も優遇策をほかのカーストにも適用するよう求めるデモが起きています。
【ニューデリー=田尾茂樹】インドの首都ニューデリーに隣接するハリヤナ州で、政府の差別対策の改善を求める農業者のデモ隊が暴徒化し、治安部隊との衝突で21日までに少なくとも10人が死亡した。
デモ隊の道路封鎖などにより、自動車大手スズキの子会社マルチ・スズキは部品を搬入できなくなり、20日から同州の2工場の操業を一時停止。日系企業の操業にも影響が出ている。
また、首都への水道供給も不足し始めるなど、影響は次第に拡大している。
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