インドでサリーを着る前に知っておきたい 5ステップ
サリーに興味がある!
一枚の布から生まれるやわらかなドレープ。サリー姿の女性、美しいですね。
インド人曰く、サリーはどんな体系の人でも似合うファッション。
サリーを着る!と決めたら、着る日の1ヶ月以上前からサリーを選び始めるのがお勧めです。
遅くても2週間前からサリー選ぶとよいでしょう。
そもそもサリーの種類が豊富でサリー選び自体に時間がかかりますし、サリー購入後もテイラーで仕立てる必要があるので、早めの準備にとりかかることをお勧めします。
ここでは、サリーを着ると決めてから、着る当日までの段取りを5つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:どんなサリーがあるのか
何を基準にサリーを選ぶか。
サリーで使われる素材には何があるのか、サリーの種類やその違いは何か…など、サリーを探し始めると多くの疑問が生じてくるかもしれません。
産地別にみると…
重みのあるバラナシブロケイド、南インドのゴージャスなカンジバラムとカーンチプラム、有名な絣であるポチャンパリとオリッサのイカット、優しい涼しげなジャムダニ、絞り染めのバンダニ、デザインの幅が広いチャンデリ、手描きのカラムカリ、インド中部の部族で作られるサンバルプリ、直線が美しいマヘシュワリ、木目のような柄のギーチャ、ビビットなカラーのマイソール、格子柄がうっすらとみえるコタ…などが有名です。
色について…
インド人に「祝い事には何色を選ぶ?」と聞いたら、「赤、ピンク、黄色、パープル」と返ってきました。
インドの結婚式では新婦は赤い衣装を着ることが多いですが、来客が赤を着ても問題ありません。むしろ赤は純粋を象徴する色で、幸せな色でもあり、めでたい色なので喜ばれます。
逆に「めでたくない色は何か?」と聞いたところ、「祝い事には真っ白なサリーと真っ黒なサリーは避けたほうがよい。」と言われたことがあります。白は葬式で着たり、寡婦が日常的に着る色です。黒のマイナスイメージはインド文化に由来するものではなく、欧米や東アジアの文化の影響を受けて避ける人がいるようです。
また、時間帯によって色を使い分ける人もいます。昼間は薄い色、明るい色が好まれ、一方で夜間は濃い色、暗い色が好まれるとか。
ちなみに、白いサリーにも色々あり、白地に金色のザリがついた伝統的なケララのサリーがあります。こちらは寡婦用ではなく、誰でも使えるサリーです。
↑ケララの伝統的なサリー
素材について…
シルク、アートシルク(レーヨンの一種)、シルクコットン(シルクとコトンの混合)、サテン、ジョーゼット、クレープ(ちりめん)、ティッシュ(かさかさとした生地)、シフォン、ソフトクラッシュ(ポリエステル)、コットン…などを耳にします。
なかでも、シルクやコットンは種類が多く、お店の方は値段の高いシルクを進めることが多いので、買う時にコットンとシルクのどちらが良いか迷われるかもしれません。
シルクは祝祭、祭典、結婚式などでもよく使われます。シルクは光沢が良いですが、基本的にドライクリーニングが必要であり、生地に吸湿性、保温性があるので、暑くない時期や冬場に着用されます。しかし、メイン用途が結婚式用でしたら、結婚シーズンは冬場にあるのでシルクは使いやすいでしょう。
一方でコットンの利点は軽くて、通気性もよく、暑い時期でも快適なことです。家でも洗濯することができます。張りを持たせたいときは、コンスターチで糊付けすれば見栄えも良くなります。コンスターチ糊付けは市販品のスプレーが売っていますが、クリーニング店でも糊付けだけお願いすることもできます。
また、最近では普段使いにおしゃれなリネンサリーを着る人も増えているようです。
一方で、都市部のインドの中所得者以上には色や産地ではなく、どこのデザインか、どこのブランドか…と、サリーを選ぶときも西洋の服を選ぶ感覚に近くなっている人が増えているようです。
サリー選びに関しても質問した相手により違う答えが返ってくる…インドのあるあるです。
ステップ2:サリーを着るために必要なものを確認する
必ず必要なものは、サリー、チョリ、ペチコートです。
サリー
数百ルピーから数万ルピーまでの価格帯。
長さ4.5から8 メートル、幅が60から120センチメートルの体にまく布です。
チョリ(ブラウス)
サリーを着るときには上半身にチョリとよばれるブラウスを着ます。(実はチョリを着ない方法もありますが、例外的なので割愛します)
サリーの生地を買うとチョリを作るための生地が一緒についてくることもあります。
チョリ用の生地がついていない場合は、チョリ用生地は布屋さんやサリー屋さんで売っていますし、既製品のチョリを買ってテイラーでサイズ調整する方法もあります。
あえて手持ちのブラウスやカットソートとあわせて、ひとクセあるオシャレな着方をすることもできます。
ペチコート
サリーの下に履きます。
テイラーで作ることもできるし、ラジパトナガルやサロジニナガルなどで既製品を買うこともできます。
既製品なら300ルピー程度からあります。Amazonでも800ルピーくらいから売っています。
サリー用のペチコートは裾が長いです。ストレッチのきいたフィット感のあるペチコートも流行っていますが、着用中にペチコートがちらりと見えてしまうことがあるので、色さえ合えばお手持ちのペチコートで十分です。
↑一般的なペチコート
必須ではないけれど…安全ピン、ビンディーシールもあると便利です。
安全ピン
サリーの着崩れ防止に使います。ローカルマーケットで10個10ルピーくらいで売っています。
ビンディーシール
ビンディーシールを付けるとよりテンションが上がるかもしれません。
昔は、ビンディー、とくに赤いビンディーは夫が存命中の既婚女性が付けるという習慣があったようです。しかし、現在では一部のローカルを除いて、女性ならだれでも楽しめるオシャレツールになっています。
こちらもローカルマーケットで10ルピーから売っています。
ここまで揃うと、あとは靴。
どんな靴を合わせればよいのか迷うかもしれませんが、サリー用の履物というものはなく、靴でもサンダルでも何でも大丈夫だそうです。決まりはありません。
ステップ3:サリー屋さんにいく!
一つ目のおすすめエリアは、サリーを扱う店の店舗数の多いデリーのサウスエクステンションです。
インドの方々も結婚式のためにサウスエクステンションで買う人も多いとか。
一味違うサリーを見つけたいならシャプアジャット/Shahpur jatに行ってみてもいいかも。
ゆっくりと本命の一着を選ぶのならDLF Emporioの三階やMeharchand marketのShades of India近辺を歩いて探すのもおすすめです。
一方でサリーはどこのマーケットでも必ずと言っていいほど売っています。
ローカルマーケットでは数百ルピーでもかわいいサリーはあります。
でも、ショッピングモールは複数の店舗を一度にまわりやすく、休憩しやすいので便利だと思います。
お勧めのサリー屋さんを以下の9つに分けて紹介します!
A)種類が豊富!初めての方にまずお勧めしたい2店
B)エスニックで華やかな老舗たち
C)最新トレンド!オシャレなデザイナーショップ
D)シンプルながら高品質、ほめられサリー
E)サリー専門店以外のあの有名店にも
F)コンノートで地方文化にふれつつサリーめぐり
G)デザイナーが住む町、シャプアジャット/Shahpur jatのおすすめ店
H)オンラインショップでも購入可!
I)最後に玄人向け
A)種類が豊富!初めての方にまずお勧めしたい2店
〇Nalli
1928年に創業。チェンナイ発祥の老舗。
サリーの品揃えがとにかく豊富なお店。
値下げを絶対にしないというポリシーを貫いていますが、インド人にも非常に人気の高いお店です。
トレンド重視というよりは、定番のサリーや伝統的なサリーを見つけやすいでしょう。
サリー以外のファブリックも売っています。
店舗:South Extension, Block M, Greater Kailash,Connaught Place
〇TANEIRA
2017年に大手グループの合弁会社がはじめた比較的新しいサリーブランド。
詳細な消費者調査をしたうえでのトレンドに合わせて商品を厳選しているところが魅力。
ターゲットにしている顧客層は、進歩的かつ現代的な社会的に自立した女性。
サウスエクステンション店には常駐しているテイラーがいて、チョリ(ブラウス)のオーダーを細かく指定し、店舗内で作ることもできます。チョリ(ブラウス)をオーダーした際には、最初に別の生地で見本を作り、その段階で一度試着させてくれるので失敗も少ない。既製品のチョリ(ブラウス)をもかわいい。
↑既製品のチョリ(ブラウス)
店舗:South Extension,Ambience Mall(Vasant Kunj)
B)エスニックで華やかな老舗たち
〇Meena Bazaar
1970年にデリーのチャンドニーチョーク/Chandni Chowkからスタートしたこのブランド。
サリー、パンジャビスーツ、ドレス、レヘンガ、レディメイド、バッグ、アクセサリーなど、幅広いパーティアイテムが揃います。
店舗:DLF Promenade, South Extension, Ansal Plaza, M-6, G.K. Market-I,Lajpat Nagar,Gurgaon Ambience Mall, MGF Metropolitan Mall他
〇Greenways
1942年に創業の老舗。
どちらというとインドの中高年マダムに人気。伝統的で上質なサリーがあります。
テイストはMeena Bazaarと少し似ています。
店舗:Ambience Mall(Vasant Kunj), Connaught Place, DLF Mall of India,South Extension 他
〇Satya paul
Satya Paulの特徴は、ジョーゼット、シフォン、クレープ、サテンの華やかなプリント柄!
Power, Pop, Philosophyの3つがコンセプト。モダンな大柄が得意です。
Satya Paulはインドのデザイナーとして有名で、インド国内外に非常に多くの店舗があります。
店舗:DLF Promenade, DLF Promenade,South Extension, Ambience Mall(Gurugram), Select CITYWALK,DLF Mall of India他
〇Frontier Raas
主役の日にふさわしい重厚感のあるゴージャスなサリー。
インド各地から厳選された上質で多彩なシルクサリーが売りです。
店舗:South Extension,Ambience Mall(Vasant Kunj)他
C)最新トレンド!オシャレなデザイナーショップ
〇AM PM
着脱のしやすさ、着心地の良さ、エレガントさ、伝統的な手工芸技術に焦点をあてた、現代的なデザインのブランドです。
愛好家には、プリヤンカチョプラ、カンガナラナウト、アリアバット、ソナムカプールなどの有名ボリウッド女優がいます。
2011年と2012年には連続してElle Style Awardsを受賞しており、2016年にはインド国内で、「最も人気のあるデザイナー賞」を受賞。洋服のように着脱できるreadymade サリーがあります。
店舗:Khan Market,South Extension, DLF Emporio
〇RAISONS
1969年創業。こちらも高級品ですがハイセンス。
ディテールが効いているものが多く、伝統的技術を用いた最新のデザインものが揃う。
既製品チョリもかわいい。
↑既製品チョリ
店舗:South ExtensionとDLF Mall of Indiaがおすすめ
〇anantam
有名デザイナーらのセレクトショップです。
世界で活躍する、センスのある、若手インド人デザイナーの商品も売られています。
配色や柄物の組み合わせのセンスがとてもよい。
こちらの服をソーナム・カプールが映画で着ていたこともあります。
店舗:South Extensionがおすすめ
〇OGAAN
1989年創業。こちらも複数の有名デザイナーのものが揃うセレクトショップです。
最高にオシャなサリーがたくさんあります。
店舗:Hauz Khas Village, Malcha Marg Market, DLF Emporio Mall,Gandhi Colony他
〇Shade of India
Mandeep Nagi (Design Director) とDavid Housego (もとUKのジャーナリスト)のブランド。
現代的なデザインと伝統工芸を巧妙に組み合わせていて、布地本来の質感を大切にしています。
絶妙な配色と色の対比にも定評があります。
このお店もElle Decor Design Awardを受賞しています。
店舗:Meharchand Marketがおすすめ
https://www.shadesofindia.com/
〇ESEMBLE
1994年創業のこのブランドは、厳選されたハイセンスな商品を提供しつつ、伝統的なインドの職人を支援しています。
サリーに限らず豪華で斬新なインドドレスがたくさんあり、一見の価値あり。
店舗:DLF Emporioがおすすめ
http://www.ensembleindia.com/ensemble/app/index.php/home
〇ANITA DONGRE
可憐で豪華なサリーがたくさんあります。
地方に住む女性たちに、持続的で生計手段となる仕事を提供したり、熟練職人の支援も行っているそうです。
店舗:Qutab Garden, DLF Emporio, Ambience Mall(Gurugram), The Chanakya,Khan market,DLF Mall of India他
D)シンプルながら高品質、ほめられサリー
〇TULSI/NEERU KUMAR
伝統的な手工芸の技術と洗練された美しさを兼ね備えています。
日本などの海外のブランドともコラボも行っています。
店舗:DLF Emporio, Santushti Shopping Complex, The Chanakya
〇Raw Mango
Rajasthan、Madhya Pradesh、West Bengal、VaranasiのものがメインのRaw Mango。
素材のそのものの美しさ、絶妙なデザイン、シンプルで洗練されたサリーがあります。
店舗:Chhatarpur
E)サリー専門店以外のあの有名店にも
〇Fabindia…外国人好みのサリーも多く揃えています。
〇Good earth…上質かつ優美なサリーがあります。
〇Kilol…かわいいブルックプリントのサリーも種類は多くはないですが、売っています。
F)コンノートで地方文化にふれつつサリーめぐり
〇各州Emporium…地方の特徴を店員さんと語りながら探すのもなかなか面白い。
〇Khadi IndiaとCentral Cottage Industries Emporium…地域別ではないが、ティピカルなサリーが売っています。
G)デザイナーが住む町、シャプアジャット/Shahpur jatのおすすめ店
〇All Things Black And White…売っている商品がすべて白と黒というお店。
〇Second Floor Studio…1stFloorにセレクトされたおしゃれ衣類、サリーが売っています。
https://www.facebook.com/SecondFloorStudioPunitJasuja/
H)オンラインショップでも購入可!
〇Jaypore…人気のオンラインショップで、GKに実店舗があります。ただし実店舗にはサリーはすくないです。
〇xoxo style…友人が愛用しているお店です。シンプルでかわいいサリーが手ごろな値段で売っています。
I)最後に玄人向け
〇オールドデリーで見つける
〇自分で生地やデコレーションにつかうパーツを買い、サリーを自分でデザインする
〇白地のサリーを買って、自分で好きな色に染める
ステップ4:仕立てる
テイラーで、サリーにフォールを付けてもらい、チョリ(ブラウス)も作ってもらいます。
フォールの相場は200ルピー前後。
チョリ(ブラウス)はデザインにより、数百ルピーから2000ルピーくらいまで幅があります。
フォールというのは、サリーの裾野部分に布を付けることを意味します。ペチコートもテイラーで作れます。
サリーに関してはフォールだけでなく、サリーをスカートのように着られる形にするワンタッチサリーの加工をテイラーに依頼することもできます。ワンタッチサリーは1400ルピー前後です。Vasant ViharのC block marketのナシームさんというテイラーでもワンタッチサリーを作ることができます。
ステップ5:サリーを着るのは難しい??
サリーの着方は80以上あると言われたりもしますが、サリーの歴史家Kapur Chishtiは108の方法を著書で説明していますし、もっと多いという人もいます。
サリーを着るのは難しいという意見もありますが、実はサリーには決まった着方はありません。
まずはYouTubeやインド人の方から学ぶのもよいでしょうし、サリーの着付けが不安、着崩れが気になるといった方には、初めから一人で簡単に洋服のように着られる“レディメイドサリー”をお店で購入したり、サリー生地を上記のようにテイラーで“ワンタッチサリー”に仕立てるのもよいでしょう。
サリーを着る方法
〇インド人、例えばメイドに着せてもらう。
〇洋服のように着られるレディーメイドサリーを選んで自分で着る。
〇サリー生地をテイラーでワンタッチサリーに仕立てて自分で着る。
〇Youtubeでサリーの着方を学んで着る。
YouTube で”how to wear saree “などと検索すると、複数の動画がヒットします。
例えばこんな動画…https://www.youtube.com/watch?v=PznBXkiNBKU
一人でサリーを着るとき、もっとも難しい点は美しいプリーツを作ることです。
プリーツの作りやすさは生地によります。
また、アイロンがけができていて、しわがない状態でないと上手なプリーツは作りづらいです。
裏技ですが、サリーを着る前にプリーツの部分だけを目立たないように少しだけ縫ってしまい、一部を固定させてしまってから着るときは楽です。
この動画も参考になるかも…https://youtu.be/l77APRB51KY
あなたにあったサリーをみつかりますように。
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