【インド大気汚染】PM2.5のリアルタイム数値観測と対策


多くの方が心配しているインドの大気汚染。特に2015年の冬は例年以上に空気が悪く感じ、外にでると頭痛がするように思った。大気汚染といっても、実際どれくらい悪いのだろうか。在印日本大使館より送られてきた情報を元に、リアルタイムな数値と対策についてまとめてみました。

インド内にあるPM2.5の計測をしているサイト

(1)インド地球科学省熱帯気象研究所(SAFAR

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デリー市内及び周辺(ノイダおよびグルガオン)の計10か所の観測点における,各種大気汚染物質(PM10,PM2.5等)の前日の測定値および,翌日,翌々日の予測値が表示されます。

(2)在印アメリカ大使館及び各総領事館のリアルタイム大気質データ
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インド国内5都市(デリー,ハイデラバード,コルカタ,チェンナイ,ムンバイ)の米国在外公館における観測結果が,アメリカ式の大気質指数(AQI)の数値で表示される。

2016年10月よりサイトが更新されたようだ。

上記全て海外安全ホームページより引用

実際の数値は?どれくらい悪いの?

2015年12月5日のデリーの数値を上述の(1)と(2)で見てみた。

(1)デリー:171(とても悪い)、プネ:114(悪い)、ムンバイ:91(悪い)
(2)デリー:337(危険)、ハイデラバード:114(悪い)、ムンバイ:85.5(悪い)
※単位はμg/m3

場所の違いからなのか、情報ソースによりデリーの数値はかなり違う。個人的には、米国のサイトの(2)を信頼している。

一方、環境省が定義する望ましい基準値は下記だ。

1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下

出典:環境省

さらに、70ug/m3以上は、不要な外出は避けるような指針をだしている。
なので、デリーの数値はとても悪いことが分かるだろう。

大気汚染が危険レベルなのは10月後半〜2月中旬

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アメリカ大使館が提供している2015年のローデータを分析してみた結果がこちら。(AQI数値)

ブルーゾーンが安全レベル、黄色が気をつけるレベル、ピンクが危険レベルだ。
これをみると、年間を通してひどいわけでは無い。
3月〜10月の前半までは、安全レベルなので、この期間はそこまで心配しなくても大丈夫だろう。

午前中がピーク。昼から夕方は比較的良い!?

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どの月も10時から下がり始め、19時から上がりだしている。
特に11月〜1月の外出は、出来るだけお昼にした方が良さそうだ。
こちらの分析は、全てアメリカ大使館のローデータを利用しており、下記に分析資料一式ダウンロード出来るので、こちらも併せてご覧ください。

デリーPM2.5の年間推移_2015年

対策は?

環境省で推奨されている対策は下記

○不要不急の外出を控える。
○外出時にマスクを着用する。
(「N95」という規格を満たしたマスクは,PM2.5を95%以上遮断する)
○屋内では空気清浄機等を使用する。

とまぁ、普通のことをちゃんとやりましょう、という事ですね。

とはいえ、高度成長期の日本の公害はこれ以上!?

確かに、インドはPM2.5がひどいのだが、1960 〜1970年代の高度成長期時代は、日本では同レベルの公害があったのだ。

PM2.5相当量
■測定点:羽田航空地方気象台
測定日:1965年12月3日-16日(24時間採取)
●浮遊微粒子濃度
平均:168μg(マイクログラム)/立方メートル
最大:480μg(マイクログラム)/立方メートル
最小:46.5μg(マイクログラム)/立方メートル

出典:http://news.mynavi.jp/news/2013/05/03/123/

1960〜1970年代生まれの方は、2015年現在55歳〜65歳だ。

死亡率の推移などで実際の影響がわかるかも?と思いいろいろ分析を試みたものの、同時に医療水準も上がっているので、どの年代も死亡率は下がっており、因果関係の特定は難しい。

2016年の冬から、車のナンバーの奇数と偶数で走行規制をしたり、インドの大気汚染に対する関心も高まってきているようなので、今後の改善に期待したい。

 


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